特集 地域ネットワークはこう作る! 実践例に学ぶ連携のノウハウ
―事例1:啓発型ネットワーク―さまざまな職種からなるネットワークの構築―新津市子ども虐待予防ネットワーク委員会の取り組み
相馬 幸子
1
,
明間 幸子
1
,
佐野 美智子
1
,
山田 和子
2
1新津市福祉健康課健康増進係(新潟県)
2和歌山県立医科大学保健看護学部保健看護学科
pp.954-958
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100626
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近年,少子化や地域・家族の子育て機能の低下などを背景として,子ども虐待が増加していることは,大きな社会問題となっている。この状況は新津市においても例外ではなく,乳幼児健康診査・家庭訪問などの保健師活動から,虐待または虐待を疑うようなケースは年々増加している。
また,育児不安,育児負担感を抱えての育児や,子どもと接することなく親になり戸惑いのなかで育児を行っているなどの,育児支援が必要なケースが増えていると感じていた。さらに,ネグレクトの事例に対応した経験から,虐待またはハイリスク家庭への支援には,一機関・一職種だけの対応では解決が難しく,関係機関が連携・協力したネットワークでの支援が必要であると認識した。
そこで,2001(平成13)年に準備委員会を立ち上げ,翌年には新津市子ども虐待予防ネットワーク委員会を設置した。本稿ではネットワーク委員会の設置から定着までの経過に保健師が委員会において果たした役割,配慮したことなどについて述べるとともに,ネットワークによる成果について述べる。
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