連載 BOOKS
―自殺のポストベンション 遺された人々への心のケア―「自殺」にかかわるすべての保健医療従事者必読の一冊
宮本 有紀
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1東京大学大学院医学系研究科精神看護学分野
pp.1240
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100623
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わが国における年間自殺者総数が3万人を超えるという事態は依然として変わっていない。ここで年間何万人と数値であげなくとも,実際に私たちの身の回りにも自殺していく人々―友人,知人や家族,そして職場で接している人々―がいる。誰かが自ら命を絶つという事態に遭遇して無力感に襲われる,あるいは遺された人を見て立ちつくす,そんな経験はないだろうか?
このような自殺がなぜ生じるのか考え,今後,そのリスクを減らそうとするものが自殺予防(=プリベンション)であるのに対して,不幸にして自殺が生じてしまった後に,その自殺によって遺された人々に引き起こされる影響をできるだけ少なくしようとするものがポストベンションである。
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