研究
保健師のボランティアに対する支援の一考察―ボランティアの主観的世界に目を向けて
北山 明子
1
,
大西 章恵
2
1北海道紋別保健所遠軽支所保健指導係
2日本赤十字北海道看護大学看護学部看護学科
pp.1204-1208
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100615
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■要旨
本研究は,精神障害者患者会に参加するボランティアが,精神障害者やボランティア仲間と関わるなかで感じていることから会に参加する意味を明らかにし,保健師の支援のあり方を検討することを目的とした。
ボランティア6名を対象に半構造化面接を実施し質的帰納的に分析した結果,55の意味内容と13のカテゴリーに分類できた。カテゴリー内容は,【ありのままの自分を受け入れられる心地良さを感じる】【ボランティア間で仲間意識が芽生える】【会の雰囲気を大切にしたい】【障害者と関わるうえで戸惑いを感じる】【ボランティアとしての自分を認めてほしい】【自分が成長していることに気づく】【障害者に対する自分の見方が変化する】【障害者への関心が深まる】【会のなかでボランティアの取るべき役割を考える】【障害者をとおして地域に目が向く】【自己の幸福を再確認できる】【自分らしい障害者とのつきあい方がわかってきた】【自分のボランティア観ができてくる】であった。
ボランティアが会に参加することには,仲間や障害者との関わりによって自分自身を見つめて幸福感を感じたり,価値観を再構築したりする意味があった。ボランティアにとって仲間の存在が大きいことから,保健師の役割としては彼らが互いにサポートしあえる関係を維持できるよう側面的に支援することが大切である。
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