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風疹ワクチン接種のお願い―生まれ来る子どもたちのために
岡田 晴恵
1
1国立感染症研究所ウイルス3部
pp.788-789
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100561
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発熱とともにピンク色の発疹が出て,別名三日はしかとも呼ばれる風疹は,小児の軽い病気と考えられがちです。しかし,風疹は単なる子どもの病気ではなく,妊娠初期の女性が風疹に罹るとウイルスが胎児に感染して先天性の障害を持つことがある,妊産期の女性にとって重大な疾患です。
現在高校生から25歳の年齢層は,風疹に対する免疫を持っていない方が多くいます。その風疹が,現在地域流行を起こし,全国に広がる兆しをみせています。このため,厚生労働省は風疹の流行に対して,妊娠する可能性があり風疹の免疫のない女性に予防接種を勧める通知文を都道府県や日本医師会に出し,広く注意を呼びかけています。また,妊娠中の女性には予防接種はできないので,人混みを避けるなどして感染を防いでほしいとしています。
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