連載 ルポ フランスの家族・1【新連載】
フランス女性は仕事と家庭の両立上手
児玉 しおり
pp.576-579
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100394
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子どもがいるから,仕事にも張り合いがある
「仕事をもたない生活なんて考えられない!」
仕事と子育てを両立させるのは大変ではないか,という質問に,クリスチーヌ・デシャン=リュシュケヴィッチさん(50)は言下にそう答えた。パリ南郊外,クレテイユの市立図書館の司書,中級管理職である彼女は,公務員ながらも週40~45時間仕事をし,パリ市14区の自宅に戻るのが夜8時を過ぎることも珍しくない。
前夫との間の22歳,19歳と,現在の夫の間にできた11歳の,3人の男の子の母親でもある。いまでこそ,長男のエチエンヌ君と次男のエリ君が,末っ子のアルチュール君の面倒を見,夫婦とも帰りが遅くなるときは夕食の用意もしてくれる。だが,彼らが小さいときは,0歳から保育所に預け,保育所が終わる夜6時から8時頃まではベビーシッターに子どもの世話を頼み,毎日が走り回るような生活だった。
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