研究
訪問看護サービスを利用する要介護高齢者の性差に関する特徴
大浦 麻絵
1
,
鷲尾 昌一
1
,
森 満
1
,
輪田 順一
2
,
荒井 由美子
3
1札幌医科大学医学部公衆衛生学
2天心堂へつぎ病院内科
3国立長寿医療研究センター看護介護心理研究室
pp.420-424
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100163
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■要旨
要介護高齢者が男性の場合,女性に比べて入院・入所のリスクが低かった(ハザード比=0.2,95%信頼区間:0.0~0.9)。訪問看護ステーションを利用している要介護高齢者と家族介護者の調査を行い,高齢者入所施設への入院・入所に関連する要因を要介護高齢者の性別で比較・検討した。アンケートは留め置き式で実施し,都市部のA訪問看護ステーション利用者は7か月間,農村部のB訪問看護ステーション利用者は30か月間,追跡を行い,A訪問看護ステーション利用者41組,B訪問看護ステーション利用者41組を分析対象とした。統計解析にはc2検定,Fisherの直接法,Mann-WhitneyのU検定,Coxの比例ハザードモデルを用いた。男性を介護している介護者は,高齢で,女性が多く,配偶者である場合が多く,抑うつの割合が高かった。女性を介護している介護者は,抑うつを認めるものが少ないにもかかわらず,要介護高齢者の入院・入所による在宅介護の中断が多く認められた。市町村保健師は,要介護高齢者だけではなく,在宅介護を行っている家族介護者にも目を配り,要介護高齢者が在宅介護を継続していくためのサポートを介護者に応じて行っていく必要が示唆された。
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