特集 保健師が育てる「地域防災力」
―【県・市町村の取り組み実践集➃】―顔の見える連携を!―地域における健康危機管理対策委員会の設立と運営の秘訣
原岡 智子
1
1佐賀県鳥栖保健所
pp.400-405
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100160
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
鳥栖保健所管内は地理的に,JR各線の分岐点,九州の主要都市を結ぶ高速道路網のクロスポイントに位置するとともに,九州随一の物流拠点を形成しています。さらに,筑後川を挟んで福岡県と隣接しているため,福岡を生活圏とする住民が大半を占めています。管内は佐賀県東部に位置する1市3町からなり,面積は158.6km2と県内の保健所管轄区域では一番小さく,人口約12万人です。
このような地域の特徴と保健所が果たすべき役割を,世の中の状勢と照らし合わせたところ,大規模な健康危機事案が起こっていないいまこそ,広い目で見た健康危機管理対策が必要と考えました。しかし,大きな危機事案を経験していない当地区では,関係機関も住民も,多くの日本人と同様,危機管理意識が低い“平和ぼけ”状態にあるように感じました。いまから思うと「このままではいけない」という決意が今回の企画の始まりでした。途中,さまざまな障害やつまづきもありましたが,保健所の同僚や,各関係機関の窓口となってくださった皆さんのおかげで,実践活動を通じて,一歩一歩実績を積み重ねていくことができました。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.