特集 健康危機における情報ネットワーク
自治体の健康危機管理―情報ネットワークの視点から―千葉県の取り組み
北村 忠夫
1
1千葉県健康福祉部
pp.497-501
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100898
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わが国における昭和30年代前半までの健康問題は,結核やポリオ(急性灰白髄炎)をはじめとする感染症を主流として,国民病とも言われた結核の罹患率や死亡率を,いかに減少させていくかが喫緊の課題とされていました.したがって,都道府県や保健所の役割・使命としても,結核や感染症問題への取り組みが最優先されており,いわゆる「健康危機管理」と保健所のあり方は,切っても切り離せない関係にあったと言えます.
その後,高度経済成長期を経て,わが国の健康問題の主流が悪性新生物や心臓病をはじめとする生活習慣病に移行していくことにより,また住民に対する保健サービスの提供主体が都道府県(保健所)から市町村に移管されていくことにより,同時に,地域における健康危機管理の重要性が忘れられがちになった時代があったのも事実です.
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