研究と報告【投稿】
病院内感染防止委員会の設立と活動
藤岡 一郎
pp.77-81
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206162
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諸種の医事紛争が激化を続け,病院内感染に原因するトラブルも近年次第に増加して,将来が憂慮される.院内感染の被害は,外科,内科,産科など特定の分野に止まらず,全部の領域に発生しうる.患者の安全防護を前提とする"医の倫理"に照らしても,感染軽減の対策実行は病院全体の共同責任である.この重要課題を再認識する病院が,ようやく増加中とはいうものの,わが国各地の現状から判断するに,組織管理上の観点から適切な措置を講じている病院は未だ限られている.
院内感染の予防対策は,限定された部署のみで行われても目的を達しえず,全部門で調和よく総合的に実施する必要がある.したがって,対策推進の第1着手は,感染防止委員会の結成から開始すべきである.
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