連載 ニュースウォーク・83
補章・少子化対策海外事情
白井 正夫
pp.190-191
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100119
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世相を映した言葉を選ぶ2004年の流行語大賞こそ逃したが,ベストテンの一角に「負け犬」が名を連ねた。大賞はともかく,上位にくるという予感はあった。30代,未婚,子なしという「負け犬」の状況は,現象面だけをみると,日本の少子化社会の一面をよく映している。しかし,結婚や出産は何人にも強制されることのない個人の選択で,女性の生き方である。もしもこれで少子化を心配するなら,社会こそ「負け」状況だと思うのだが。
「第2次ベビーブーム世代が出産適齢期を迎える今後数年が,流れを変える好機」。昨年12月,内閣府が発表した『平成16年版・少子化社会白書』は,少子化に歯止めをかける政策転換を訴えた。初めての少子化白書として話題になったが,内容は現状分析や施策紹介の寄せ集めで,「目新しさなし」と評判は芳しくない。
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