連載 「発達障害」児のために,私たちができること・【最終回】
子どもの,その親の,こころに寄り添う
足立 佳美
1
1近畿福祉大学社会福祉学部
pp.244-248
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100063
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人生は,ある意味では曲がり角の連続である。生きてきた時間をふり返り,その日その瞬間に思いをはせれば,分岐点で揺れている自分の姿が浮かぶ。苦しいときには立ち尽くし,それでも,また,歩みだす。その道が次の道への歩みにつながっていく。どの道へと曲がっていけばいいのか,そのとき,人は確かと思える導きを求める。
発達障害1)と診断された子どもやその親の多くが求めていること,それは,単に狭い意味での医療・保健につくされるものではない。教育的配慮,心理的支援,福祉施策…,それだけでもない。同じ気持ちにある人との出会いや支えあい,ときには生活や生活行動への介入にさえ至る。生活への支援は,生きることへの支援でもある。生きることへの支援とは,その子どもの,その人の,こころに寄り添うことであろう。
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