教育トピック
ティーム・ティーチング
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.44-45
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908843
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■エッグ・クレイト式教育
最近アメリカから帰えってきた友人の話によると,アメリカでは現在の教育のあり方を批判する場合にエッグ・クレイト式教育という言葉が,しばしば使われているそうである。ニッグ・クレイト(egg crate)というのは,スーパーマーケットに並んでいる卵の容れ物のことである。縦横の寸法が一定に仕切られた枠のなかに,1ダースの卵が1つずつきちんとはめこまれている様子に,現在の学校教育の画一的な様式をなぞらえているのは,いかにもアメリカ人らしい面白い着想である。
エッグ・クレイト式教育という言葉が,幾分のユーモアを交えて軽蔑的に話されていることからもわかるように,ここ数年来アメリカでは画一教育に対する批判は非常に強くなってきている。プログラム学習やティーチング・マシンが生徒の個人差に応じて教育する新しい方法の提唱であるのに対して,教員の組織や学校建築,クラスの編成等まで含めて教育の画一性を打破しようとする試みとして登場したものにティーム・ティーチングがある。
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