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実践的院内講師論—講師にオリエンテーションしてくれるのは誰か
伊東 恒夫
1
1国立霞ヶ浦高等看護学院
pp.39-41
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908792
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看護学校の専任教員は責任が重く,いろいろなむずかしい問題を持っておられることだろう。わずか2,3名で数10名の年頃の学生をあずかり,しかも一人前の看護婦に育てるという,大事な仕事であるから容易なことではない。勉強もしなければならない,仕事も多い,いわゆる雑用というものに追われて,かんじんの教育のほうが思うようにゆかず悩む向きも多いことだろう。しかし一方,これらの仕事も一歩引き下がって考えてみた場合,果たして合理的にその職務を遂行しているかどうか,考えなおしてみる必要もあるのではないだろうか。事務職員にやらせればよいものまでみずからやって,忙しがっている面はないだろうか。看護教育というものは,2,3名の専任教員が,いくら背伸びしたところで,多勢の子女を立派な看護婦として世に送り出すことは無理なことで,学校長を中心としたその病院全員の協力をまたなければならないことはいうまでもない。専任教員はその中核となり,いかにして皆の協力を得るかというのも大切な仕事ではないだろうか。
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