講座
専門教育と一般教養の関係—米国看護教育の印象から
坂西 志保
pp.37-38
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908791
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去る7月,エールの首都ダブリンで開かれた第12回国際職業訓練競技大会で,日本選手は2年続きで非常によい成績をおさめた。これは“技能オリンピック”といわれている行事で,日本の代表は14職種に参加した。そして,金メダル10,銅メダル2,受賞にもれた部門でも,それぞれ4位に食い込んでいる。大会の役員や審査員は,日本の青年工員を“東からの旋風”と呼び,舌をまき,日本がどのような方法で彼らを仕立てているのかという質問が出た。そして彼らの養成ぶりをとっくりと見たいから,近い将来に大会を日本で開催してくれないかといいだした。スポーツ五輪のあとは,技能五輪ということになるかもしれない。
この技能オリンピックは,あまりマスコミが大きく取り上げなかったけれども,世界の先進国といわれる国々の産業経営者と職業教育の専門家は,大きな問題として考え,これを機会に日本を見直そうとしている。これについて日本選手団長の児玉寛一氏は,現在日立製作所顧問で,日本での青年工員養成の先駆者の一人であるが,朝日のロンドン特派員が会見した時,氏は“何分日本の企業界の徒弟養成の歴史は古いものですから”と言っている。確かに今回の出場選手の顔触れを見ると,中学卒業後,大企業養成工となり,実地に則した訓練を経たものが大多数を占めている。
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