特集 精神科看護・Ⅰ
看護領域における精神科看護の位置づけをめぐって
宮本 真巳
1
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究室
pp.401-408
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908670
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はじめに
精神科看護の位置づけにくさ
本特集のテーマである,精神科看護を看護全般の中にどう位置づけるのか,また,それをどう教育内容に反映させていくのかという問題について,私は,看護職に就こうと決意した頃から折にふれて考えてきた.それにしては,いざ自分の考えを述べてみようとすると,いっこうに考えがまとまらず心もとない気がしている.
私は,看護士として精神病院に十年余り勤務した後に,臨床との接触を保ちながら研究活動に従事することが可能な現在の職について1年になる.また10年近く前から,看護専門学校,短大,大学の非常勤講師として,精神科看護学の講義を担当してきた.従って私は,総合病院の内科,外科等における臨床経験はないままに,精神科看護という限られた領域をいわば窓口として,看護と看護教育全般について語ることになる.私の心もとなさの半ばはそうした個人的な事情から生じているが,さらにそこには,看護界全般の動向も関連しているように思われる.
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