看護史研究
京都における助産婦(産婆)教育のはじまり—助産婦教育史に関する若干の史料を中心に
北村 笑子
1
,
西村 知子
1
1京都府立医科大学附属看護専門学校助産学科
pp.150-153
発行日 1989年3月25日
Published Date 1989/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908636
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はじめに
わが国における助産婦(産婆)教育は,明治7年に医制が東京,京都,大阪に発布されたのち,3府を中心に開始され,その始まりは明治9年,東京府病院内の産婆教授所であるとされている1,2,3).また,大阪においても同年,大阪医学校で助産婦(産婆)の教育が開始されている3,4).
京都府においては,明治30年の「京都産婆学校1,2)」,京都府百年の年表5)によれば,明治21年に「京都産婆養成所」が助産婦(産婆)数育の始まりであるとされている.いずれにしても京都では,東京,大阪より実に10年以上遅れて始められたことになる.京都は東京遷都の明治2年までは,わが国の首都であり文化の中心地でもあったことから,当然医学の中心地でもあった.このことから本当に助産婦(産婆)教育はそれまでなされていなかったのであろうかと,文献,史料を捜してみた.
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