調査研究
小児臨床実習の一環である保育所実習の効果—設定保育の6領域において
川島 佳千子
1
,
橋本 福子
1
1昭和大学医学部附属看護専門学校
pp.413-419
発行日 1988年7月25日
Published Date 1988/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908528
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はじめに
小児看護は「病児の看護のあり方」を学ぶことであるが,それには健康児の成長発達および小児の特性を理解することがベースになる.教育的ステップをふむことは,よりよい小児看護が期待でき,学習に大きな成果をもたらすと予測されるからである.常葉は「小児は無限の可能性と個別性を持つ,一人の人間である」と述べている1).
また,白佐は「幼児前後期を通してみられるものに,自己中心性がある.これは幼児心性の本来的特徴であり,発達的見地から否定されていくところに意義がある」と述べている2).また,「幼稚園という決められた場所で,決められた時間に,親から離れて行われる友達との生活は,その指導が適切であるなら,生活を一定のリズムにのせ,自分にできることは自分でする自主性や,他人の存在を知り,その立場を受入れて,協力する態度(社会性)などを育てる.したがって,生活空間の構造化,生活時間の規律化,人格面の自立化,社会化が促進される」とも説明している3).
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