特集 病院と保育所
保育所の経営
東 義晴
1
1武蔵野赤十字病院事務部
pp.44-46
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205100
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はじめに
‘市町村長は,保護者の労働または疾病等の事由により,その監護すべき乳児,幼児または第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがあると認めるときは,それらの児童を保育所に入所させて保育しなければならない.但し,附近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,その他の適切な保護を加えなければならない.’
これは,ご承知のとおり児童福祉法第24条の規定である.したがって,保護者の側の事由によって乳児,幼児または児童(便宜上以下子どもという)を,公の手によって保育する必要のある場合は,当然,市町村長の責任においてこれを実現しなければならない.ところが,法律には明確にうたわれておりながら,現実の問題として,そのような施設はまだ十分には用意されていないことがそもそもの問題の始まりである.が,他面,医療施設における深刻な看護婦の不足は,何とかして,保育のために職を辞する看護婦を引きとめたいこと,さらには,すでに家庭にあって保育に専念している看護婦を職場に迎え入れることを可能にするための必須条件として,医療施設みずからの手で保育所を設置せざるをえない状況に追い込まれた,というのが実情であろう.
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