NURSING EYE
現代学生の今日的問題と学生指導を考える
鈴木 みずえ
1
1静岡県厚生連看護専門学校
pp.194-199
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908498
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はじめに
私は看護教員として,今年で3年目を迎えた.この3年間は無我夢中で学生と接し,看護基礎教育に携ってきた.ふり返ってみると,どの学生も何らかの問題を潜在的に持ち,それらに対する指導が適切にできたかを考えると疑問が残る.学生個々の問題は多様であるものの,整理すると次の3つがあげられる.
1)目的意識を持ち主体的に学習できない.
2)人間関係が円滑に行えない.
3)日常生活技術が未熟である.
これらの問題が徐々に表面化し,気づいた時には指導も及ばず,留年あるいは退学といった過程を歩む学生も少なくなかった.
現代学生は新人類とも呼ばれ,教員から見れば,理解しがたい言動や行動をとる学生も多い.しかし,学生の持つ問題は物質的に豊かな現代社会を背景に成長してきたことや,青年期の特有の発達課題に直面していることによるものが大きい.そこで私の体験した学生の事例を通して,学生の持つ問題を明らかにし,今後の学生指導の指針を考えていきたい.
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