特集 課外活動
課外活動の潜在的価値
須藤 勲子
1
1三育学院短期大学看護学科
pp.457-461
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908403
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はじめに
教育課程とは英語のCuriculumの訳語であるが,その概念については広狭さまざまに述べられている.訳語も教育過程のほか学科過程ともいわれるが,文部省の公約な文書においては前者に統一されている.いずれにしても,私どもが日常的に使っている教育過程とは,学校の特殊性も含めて教育の目的・目標を達成するために,授業時数(指定規則による)との関連において,総合的に組織された教育計画であるといえる.これに対して課外活動とは‘学校において正規の教育過程外に行われる自発的な生徒活動’であり,この語は1910年代の半ばより使用されるようになった.本来,教科だけを正規のカリキュラムとみなした時代の用語であって,現行の学習指導要領にみられる正規の教育過程化された特別活動とは,概念的に同一ではない.すなわち課外活動を課程外としてではなく,教科学習優位の知識主義的片寄りを,集団的自主的な特別活動として,全教育過程の中で適切に位置づけることにより是正しようとしている.教育的に意義のあるすべての領域をカリキュラムには含ませるべきであるとの考え方が一般化することにより,概念上の矛盾が生じてきたわけである.
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