私の発言
看護教育と課外活動
遠藤 恵美子
1
1元:国立病院医療センター付属高等看護学院
pp.369-374
発行日 1974年6月25日
Published Date 1974/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906779
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はじめに
4年あまりの看護学院における教師生活のなかで,私は,課外活動が学生生活のなかで,どのような意義があるのかを考えてみる心の余裕を持てなかった.課外活動は,学生自身の自発的活動であるということで,教師はこれといった関心を示さず,カリキュラムの編成はいかにとか,実習方法はいかにということばかりに汲々としてきたように思う.しかし,考えてみれば,看護学生にとって,看護学院時代の学生生活は,主体性の確立とともに社会性を育成する上で,極めて大切な時期であり,この意味で,看護教育における課外活動の意義を,もう一度考え直してみる必要性を感じる.
私は,一昨年から,学生とのサークル活動を通して,一つの貴重な体験をし,そのなかで考える機会を持ったので,限られた経験のなかからではあるが,看護教育における課外活動の意義を問い直し,専任教員として,それにどうかかわっていったらよいかを模索してみたい.なお,課外活動を,教育課程外の活動であり,副次的なものとする考え方はようやく克服され,今日では,教育課程の一部を構成するものと考えられている.そしてここには,学校行事,学生自治会活動およびその一環であるクラブ活動やサークル活動が含まれるようであるが,以下では,クラブ活動やサークル活動に焦点を合わせて考えてみたい.
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