特集 課外活動
課外活動の考え方と効果的な実施
山田 里津
1
1三井記念病院高等看護学院
pp.454-456
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908402
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はじめに
‘課外活動’とは‘各教科以外の教育活動’のことを指し,調和と統一のある教育課程による豊かな人間形成の趣旨に基づくものであって,独自の教育的意義を有していなければならない.率直にいって高等教育機関としてとりわけ技術専門職の養成においてこれら課外活動の意図的教育が可能だろうか.
現代における高校教育までの学校生活は,教育課程の語源である‘走路’から‘人生の行路へ’に転じてきたといわれる.人間形成は学校と実生活とが分離したままで行われるものではない.すなわち‘生活による学習’が強調され,学校と社会が一体となり,統合された形で,むしろ社会生活に基盤をおいたカリキュラムの構築が問われた.しかるに受験準備教育的機能を中心とする教科優先の傾向は,今もなお強い.とくに有名校ほど教科外活動は時間的にも圧迫され,副次的に形式的に処理されている.教育の原点にたちかえって,再検討すべきことであるにもかかわらず,予備校や塾の存在は必要悪から正当な存在意義さえ確立されているのではないだろうか.
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