特集 母性看護学学内実習・段階的実習のすすめ方と評価
援助技術の習得および対象への適用—学内実習第2段階(2年次前期)
藤田 八千代
1
,
田中 千鶴子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.275-284
発行日 1987年5月25日
Published Date 1987/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908376
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はじめに
2年次前期における学内実習は,母性看護学に限らず,その後6月から9月にかけて集中的に行われる看護学実習(学外)への重要な橋渡しとなる.母性看護学では,1単位30時間の講義(内容は,妊産婦の看護,思春期・更年期の看護)と平行して,1年次後期に行った学内実習にひき続き第2回目の実習が行われる.この2回の実習をもって一症例に対する一連の看護過程の学習が習得できるように組み込んでいる.
すなわち,第1回目1年次後期には,‘対象の把握’を学習課題として,情報の収集から解釈・判断・看護計画までの部分に取り組み,そこで立案された看護計画を,第2回目2年次前期に実施し評価する実習を行う.計画の実施にあたっては,必要な援助技術の習得と,それを症例の個別性にあわせてどう適用させるかの2つの課題が考えられる.学生はこれをロールプレイングによって体験学習し,対象に適した産褥期看護について,1年次後期からの実習も含め,評価していく.褥婦および新生児を対象にした看護過程の実習が,看護学学外実習の直前に終了することで,その内容が即学外実習に効果的に生かされることをねらっているが,実際にはなかなかむずかしいようである.しかし,学生には新鮮な学習体験として,学外実習にはかなり応用展開されていると思われる.
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