特集 看護教育カリキュラムに望むもの
看護学校における基礎科目のあり方を考える
天野 隆雄
1
1国士館大学
pp.98-101
発行日 1987年2月25日
Published Date 1987/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908349
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多い基礎科目への疑問
周知のように,看護学校の授業には,看護学・専門科目それに基礎科目とがある.看護学と専門科目とは,将来立派な看護婦になるため設置された科目であり,看護婦になることを目指して入学した学生たちには,これに対する学習については格別異論をもつ者はいない.しかし,基礎科目となると現実に看護に直結しない(と考える)ものが多いだけに,種々の疑点がみうけられる.本稿では,筆者も基礎科目(教育学と心理学)の担当者として,それらの問題について考えてみたい.
まず,現在,授業をうけている看護学生たちにこの問題について率直に聞いてみると,基礎科目に対する批判的な意見が多いのに一驚した.以下にそのいくつかをあげる.なお,これらは昭和61年10月に,筆者が心理学を担当している東京都のK看護専門学校1年生33名,教育学を担当している同じくS高等看護学院2年生20名に,‘看護学校における基礎科目をどのように考えているか’を作文法によって問うたものの一部である.なお,K看護専門学校の基礎科目は,英語・教育学・心理学・社会学・物理学・化学・生物学・統計学・体育・音楽・文学・数学であり,S高等看護学院のそれは英語・ドイツ語・教育学・心理学・社会学・物理学・化学・生物学・統計学・体育・音楽・文学・倫理学である.
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