看護教育学の体系化をめざして・3
看護教育制度論・その2
杉森 みど里
1
1千葉大学看護学部
pp.770-779
発行日 1986年11月25日
Published Date 1986/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908298
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護教育制度の成り立ち
2)看護婦養成教育,その教育制度化の必要性
我国の看護教育制度は,看護婦養成教育という職業教育としての歴史を持ち,今なおそれらが続いているために,一般の学校教育制度の歴史と大きく異なっている.この教育制度の沿革をたどるには,看護制度の中から看護婦養成教育に関する部分を分離し,その養成教育史を作ることからはじめなければならない1).その上でそれら教育制度の特徴を考察する必要がある.その制度的枠組みのもろさや弱さを冷静に分析することにより,初めて現時点における矛盾の根拠を発見し,さらに将来への展望もできるのではないかと考える.
実際には,さまざまな看護教育制度に関する見解が発表されているにもかかわらず,看護制度の中で語られることが多く,看護教育制度論あるいは,看護教育制度史としてまとめられたものは見当たらない.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.