NURSING EYE
学生からの学び—自信を失い,ゆきづまった学生の気持を変えたもの
長谷川 えり子
1
1新見女子短期大学看護学科
pp.658-661
発行日 1986年10月25日
Published Date 1986/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908283
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はじめに
看護教育の対象は,子供から大人への過渡期といわれる青年期にある学生である.エリクソン1)によれば,青年期の発達課題はアイデンティティ(自我同一性)の確立である.アイデンティティの確立の危機となる状態を‘アイデンティティ・ストレス’2)と呼ばれ,個人にとっては自己の在り方に対する不安,社会的孤立感,またはそれに伴う無力感と自信喪失という状態をもたらすのである.
過密なカリキュラムの3年間の看護教育の中で,ゆきづまり,悩みながら,学生ひとりひとりがアイデンティティ・ストレスを克服していくプロセスがある.次の発達段階に進むために,欠かすことのできない重要な課題を,学生達は背負っている.
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