看護の潮 患者に目を向けよう
座談会/患者の気持と看護婦の気持—中野療養所での話合い
大森 文子
1
,
市橋 陽二
,
近藤 美代子
,
田中 賢二
,
唐沢 洋子
,
名取 宏
,
山崎 えみ子
,
太久保 ヒテ子
,
西村 保子
1国立中野療養所
pp.18-24
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912792
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患者のいい分
司会(大森) 私どものほうでいまやっている看護というのは,別に患者さんに新しい看護をはじめますというふうにいってはじめたわけではありません。そういうことで患者さんのほうは,決して新しい看護が行なわれてるとか,いままでと変わったというふうには考えていないんじゃないかと思うんです。ただときどき自治会新聞で,いろいろとり上げていますので,少しは,変わったことをはじめてるらしいぐらいは,わかっているんじゃないかなというふうに思うんですけども。最近全国的に看護婦が足りない,足りないということがいわれて,とくに一般の総合病院の看護婦は,医師の介助に忙がしく追われて,患者さんのことを看護するっていいますか,看るひまがない。したがって患者さんのほうは,手術をするとか,少し重くなるというようなことがあると,どうしても家族がいらしたり,付き添いを頼まなければならないというふうな状態があるんじゃないでしょうか。これは,日本の健康保険できめられている4対1という割合も原因でしょうし,健康保険できめている入院料というようなものからも,そういうことが,出るんじゃないかというふうにいわれている。ただ恐ろしいことは,看護婦のほうは,忙がしさが身についてしまって,毎日毎日追いまくられて目の前に出ている仕事をしている。
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