看護教育学の体系化をめざして・1
看護教育学講座の誕生と日本の看護教育
杉森 みど里
1
1千葉大学看護学部
pp.642-650
発行日 1986年9月25日
Published Date 1986/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908281
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序にかえて
看護教育学講座に着任して7年余りすぎようとしている.この春,看護界は看護系大学に北里大学看護学部と日本赤十字看護大学とを加え,長かったトンネルからやっとぬけ出したような朗報に接した1).さらに東大医学部に看護系の教授の誕生をみるなど,まさに看護学教育の高等教育化現象がにわかに現実味をおびて到来したかにみえる.その全体に占める比率の低さをよそに,これはあたかも米国の看護教育における1960年代の「知識の爆発(knowledge explosion)」に似た情況を予測させるような看護界の動きであり,40年近く息をつめて我が国の看護教育を見据えて来た人々に,ある種の衝撃を与えているのは事実である.
このような世の中の動きにもかかわらず,国立大学の看護学部が増設されるという動きははかばかしくない.
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