連載 スクラブ・ナース 3年生・27
日本にNPは誕生するか?
鈴木 美穂
pp.697
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101008
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今,日本では医師の不足や偏在を解消するために,総合的な初期診療を担う「家庭医」の養成が本格化しているという記事を見た。欧米をモデルにしているということであるが,これまでの欧米の歴史的な経過を見ると,家庭医の需要は結果的にナースプラクティショナー(以下,NP)の誕生につながっている。
アメリカでは,専門医のほうが収入のよいことを理由に,プライマリケアに進む人は年々減少。しかし,医療費の抑制やマネジドケアの普及により家庭医の需要が減少することはなく,その家庭医の不足をカバーするべくNPの役割が確立してきた。医師よりもNPのほうが安価なので,保険会社にとっても好都合であるし,全般的にNPのほうが時間をかけて診療をするので,患者からの評価,特に高齢者からは高い満足が得られているという。また,NPによる診療の質についても一定の成果が示されている*。
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