身の丈に合う福祉を求めて・5
哀れみの底に流れるもの
河野 一平
pp.715-717
発行日 1981年11月25日
Published Date 1981/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907600
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人を哀れむ
かわいそうな人たち,不幸な人たちという理解の仕方が,福祉にはつきまとう.新聞の投稿欄などには,年に何回か必ず,‘障害を持つ不幸な子どもたちを献身的に支えている施設を見学しました.身を粉にして働く若い職員の姿には頭が下がりました.今の若い人たちに対して,ともすれば暴走族や家庭内暴力といった利己的な面ばかりが強調されがちですが,そういう人ばかりではないことに明るいものを感じました.また恵まれない子の姿を見るにつけ,五体満足で健康であることがどんなにか貴くありがたいことかと,改めて自分の幸せを思いました’という論調の文が載る.
新聞以外の場でも同じような意見にたびたび出会うことから考えて,根はとても深いのだろうと思う.なによりも広い範囲の人たちが,そういう考えを持ち続けているのは間違いないようだ.
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