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授業の転回—‘くらがり’からの出発
三枝 孝弘
1
1名古屋大学
pp.137-143
発行日 1981年3月25日
Published Date 1981/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907525
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I.‘くらがり’のこと
朝永振一郎先生が亡くなられた時,先生にまつわるひとつのエピソードが,ある新聞のコラムに載せられていた.文章そのものはよくおぼえていないけれども,その主旨は,およそ次のようなものだった.
‘人が何かを探している.“どうしたのですか”とたずねると,“鍵をなくしたので探しているのです”という.よくみると,鍵は,くらがりのところにおちているはずなのに,その人は,明るいところを探している’と.
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