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戦後35年の看護と看護教育[2]
田河内 ツル子
1
1国立小児病院看護部
pp.105-111
発行日 1981年2月25日
Published Date 1981/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907521
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看護婦の職業観と意識の推移
前回は年表を追いながら,我が国における戦後30余年の社会の動きと看護界での主な出来事を展望してみたわけであるが,今回は,看護婦の社会的立場の変遷や,看護婦自身の職業観や職業意識の推移について考えてみたいと思う.
ところで,まず考えられることは,これまでに,女性が中心となっている職場の中で看護婦ほどその意識が問題とされた職場もないのではないかということである.それは,この職業が女性の職場としては古い伝統をもちながらも,意識の上では諸外国のそれに比べて低く,社会の見る目も正しい認識の上に立っていなかったという歴史的な要因があったこと,そして,その意識の低さが看護婦の素質を高め,業務内容を向上させることへの大きな障害につながっていたという理由からであろう.
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