新春特集号 年頭所感
戦後20年にして生まれるもの
吉田 幸雄
1
1病院管理研究所
pp.23-24
発行日 1965年1月1日
Published Date 1965/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202494
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敗戦によって打ちひしがれ放心したようなあの終戦の年からもう20年の歳月が流れてしまった。あの当時は物質には貧しさのドン底に落ち込んでいたが,もう戦争をしなくてもよいという安緒感によって,かえって豊かな気持ちにさえなった。これが平和の尊さというものだろうか。
しかし,まもなく自分らは進駐軍という強烈な台風の中にまき込まれていった。そのひとつに病院管理という小旋風が起こされた。そして23年の秋には,国立病院長の病院管理研修会の開催,24年病院管理研修所が創設された。しかしこの旋風はGHQ台風から,しだいに分離し,雑誌「病院」の創刊,日本病院協会の創立,日本病院学会の発足と自らの力で雨となり流れとなり,ついに日本の国土に定着し,永続的に流れる川の姿と化したもののようである。そしてGHQの台風は霧消してしまっていた。
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