Derm.2006
陪席医の一日
杉田 和成
1
1産業医科大学皮膚科学教室
pp.172
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100639
- 有料閲覧
- 文献概要
やはり教授診を間近でみることのできる陪席医を経験することは有意義だと思います.具体的には,臨床,病理診断だけでなく,問診に始まり皮疹を観察するやり方,処方,必要な検査を的確にオーダーする等々です.しかしながら,診察時間内に教授診の難しい臨床や病理を理解するのは不可能です.教授診前日までには,処方内容や病理組織をチェックする,さらに難しい症例,貴重な症例があればそれらに関する文献を読み,また患者検体の解析結果もそろえておかなければなりません.
いよいよ診察が始まれば,教授自ら処置,注射をし,時間が許せば生検,切除までもされる.また,皮膚症状に合わせた微妙な処方内容の変更も勉強になります.そういう診察医としての姿勢や手技,知識を大いに学んでいます.診察中,教授から「アトピーに合併した○○は何例くらいあった?」などと聞かれることもあるし,答えられるように準備しておかなければなりません.診察が終われば,夜は患者リンパ球の表面マーカー解析や培養が待っています.また,貴重な症例があれば論文も書かなければなりません.こうして陪席医の一日が終わるのですが,夜の研究は半分楽しみながらやっているのも事実です.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.