私の発言
看護婦の判断とその教育
松木 光子
1
1大阪大学医療技術短期大学部看護科
pp.709-714
発行日 1975年12月25日
Published Date 1975/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906937
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はじめに
現在,看護界では新しい看護の役割が動いている.その端緒は米国にあるが,日本にも既にその兆しはある.その1つはICUやCCUなどの限定された分野の専門化の動きであり,他方はgeneralistとしての‘プライマリーケア(Primarycare)’である.ICUやCCUなどの専門化は,このような機構が日本に取り入れられると同時に始まっており,プライマリーケアの動きは保健婦や助産婦の開業という形で,まだ少ないが報じられている.これらの役割が医療チームの中に根をおろすかどうかは,看護婦個々の活動に依存する.特にこの新しい役割は看護婦個々のその場に応じた適切な判断を要求するものである.
このような新しい役割でなくとも,日常のケアの中には数多くの専門的判断が可能であり,必要とされている.しかし,看護部門におけ、る専門的判断には,所や個人により非常に格差がある.それは医療チーム内での看護部門の貢献度に依存しているといえよう.看護婦がその専門的機能をうんぬんするなら,実際の場で看護婦の判断による活動分野をもち,看護婦の判断による行為を具体的に示さねばならない.そこで,看護婦の判断の拡大の傾向と必要性を考え,強めることを模索する.
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