教育の眼
言葉の教育(3)
佐藤 忠男
pp.605-609
発行日 1974年9月25日
Published Date 1974/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906813
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私は,しゃべる,ということの訓練を,果たしてどれだけ受けているだろうか.
親が,よく,子どもに,お客様にあいさつをしなさいと言って,客の前で‘こんにちわ’とか‘いらっしゃい’ということを言わせる.私は小さいとき,親からそういう訓練を受けた記憶がない.もっとも,非常に小さいときのことは忘れているのが当然である.私の父は私が3歳の時に死に,以後,母は店の商売と家事とで猛烈に忙しかったはずであるから,私のしつけにまでは手が届かなかったにちがいないと思う.
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