——
臨床実習指導のあゆみ
森 恵美子
1
,
田中 由紀子
1
,
倉鋪 桂子
2
,
高岡 スミ子
2
1福井県立高等看護学院
2福井県立病院
pp.464-473
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906791
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.臨床実習指導の方法と展開
1.看護教育における実習の意義と現状
看護教育の教育理念は,学生が日々の学習に意欲的に取り組み,実習の場に当たって理想と現実を知る中で,‘対象にとってより良い援助’とは何かを追求し,学生自身が国民の健康向上のために専念する志を抱くよう指導することであろう.
看護教育が技術教育であるかぎり,看護教育における実習の意義は大きい.新カリキュラムがその指定規則において,実習時間を全体の50%以上を割り当てているのも,実習の意義を重視するからに外ならない.しかし,実習における指導内容は,徒弟制度からどれ程も進歩していないのではないだろうか.その原因として,‘看護とは何であるか’という概念に基づく看護技術(方法論)がないため,本来のあるべき実習指導がゆがめられた結果ではないかと思う.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.