教育技術解説・12
社会性の育成をめぐって・2
小川 博久
1
1東京学芸大学
pp.804-809
発行日 1973年12月25日
Published Date 1973/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906734
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1.はじめに
前回,社会性の原理について,主として社会認識—社会についての見方—をめぐって論じた.そして社会認識の問題は,学校教育では社会科という教科において学習されていることを述べ,そこにおける問題点と今後の展望を指摘しておいた.さて今回は主として社会性の育成という問題を,行動の面からみていくことにしよう.
普通,学校教育においては従来,学習指導と生活指導(広義)あるいは,教科指導と教科外指導とに分けて教育活動を考えてきた.前回に論じた社会科の問題は学習指導(教科指導,最近はこれに代わって以前に使われていた伝統的な用語である‘教授’というコトバが使われてきている)の領域に入るものである.今回論じていくのは,広義の意味の生活指導(あるいは,教科外指導,最近では,訓育というコトバも使う)である.現行の学習指導要領では,教育課程の領域を教科・道徳・特別活動の3つに分けているが,この中で道徳・特別活動の2つが特に社会性の育成に深い関係をもっている
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