特集 自由討議—その必要性と現状
高校教育における人間形成—ホームルームでの討議
池上 彰彦
1
1都立小松川高校
pp.8-10
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904367
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はじめに
高校教育における大きな目標の一つに,生徒の自主的,自発的な活動を通じて個性の伸長をはかるとともに,社会生活に適応してゆくことのできる能力,態度を養うということがある。そして,その目標を生かすために,私たちはホームルームを最も重要視している。昭和38年度から実施される新しい高校学習指導要領でも,ホームルームは各学年とも週1単位時間(50分)以上あてるように定められているが,これも教科指導とともに,生徒の生活指導,全人的教育の必要が再確認され,そのための場としてのホームルームがはたす役割がひじょうに重視されてきたからにほかならない。
現在の高校のホームルームは,多くの場合,同時に学級(クラス)であるが,実際にはクラスのもつ教科指導中心の,あるいは管理中心の機能よりも,はるかに幅の広い機能をもっている。いまホームルームの機能を要約すると,
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