講義ノートから
看護学総論・10
服部 裕
1
1大阪府立病院脳神経外科
pp.146-151
発行日 1972年3月25日
Published Date 1972/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906564
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ナース不足の対策
自分たちが勤務している職場のナースがたりない場合,多くは組合闘争によって,病院理事者側にナースの雇い入れ,労働条件の改善などを要求し,ナース不足の責任が全面的に病院理事者側にあり,自分たちはそのために過酷な労働条件を強いられている犠牲者である,と主張なさいます**.ナース不足の責任の所在は,ほんとうにそのような一方的なものなのでしょうか?
私はこのことに非常に疑問を抱いております.と申しますのは,もし不足しているのが私たちの医局の医員だと仮定してみましょう.その時に私たちの考えることは,私たち現在所属している医局員全員が協力して,研究や教育・診療に力を入れ,私たちの医局を他の人たちからみて魅力ある所にして,入局希望者が殺到するよう努力致します.つまり,入局希望者が少なかったり,無かったりするのは,ただ単に部長(教授)だけの責任ではなくて,私たち医局全員の協同責任である,と考えます.そして,病院長や学長などにその責任があるなど,思いも致しません***.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.