講義ノートから
看護学総論・4
服部 裕
1
1奈良県立医科大学第2外科
pp.20-27
発行日 1971年7月25日
Published Date 1971/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906483
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奈良医大付属病院における看護婦業務とその実施率*
全国的に大学の管理・運営に対する学生参加の要求をめぐって争議行為の頻発している昨今,大学病院なるが故に奈良医大付属病院も例外とはなりえず種々の影響を受けており,それに伴って看護部にも微妙な変化を及ぼしております。本来,大学病院は診療機能のみの一般病院とはその性格が大いに異なり,大学に付属して病院が存在し,臨床医学の教育・研究機関として学生および卒業後の医師の修練の場であり,同時に診療機関としての使命をも併せ有しております。したがって,大学病院が教育・研究・診病の3つの基本的機能を果たすためには,その運営・管理上多くの問題を臓しているのであります。すなわち,教授・助教授・講師・助手という大学の教育職職員のほかに,大学院学生・研究生・専修生など医師資格を有する学生医員,さらには専門課程学生までも病院の業務に参加してくるといった複雑な医師側の実情に対処しながら,患者にいかにしてよりよい看護サービスを提供するかの問題が,看護部としての最大関心事の一つであり,ここに適性な看護管理の重要性が存在致します。これらの諸問題の中には,看護部の努力によってのみ行ないうるものも含まれますが,大学病院の性格上ぜひ他部門との協調を要するものがきわめて多いのであります。ここにコミュニケーションの必要性が強調されます。
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