講義ノートから
看護学総論・8—准看護婦の病院勤務と通学との両立性に関する一考察
服部 裕
1
1奈良県立医科大学第2外科
pp.13-20
発行日 1972年1月25日
Published Date 1972/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906541
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I.はじめに
看護婦不足が大きな社会問題となっている昨今,病院側の‘ナースを確保することによって看護業務内容を充実し,円滑な運営を図りたい’という全体的,社会的ニードと,ナース側の‘教養を高めるために学校に通い,教育を受けたい’という部分的,個人的ニードとのくい違いをいかに調整するかという問題は,多くの進歩的意見をもった病院,特に看護婦の最大関心事であり,また苦悩を提供する大きな要因ともなっている.
現在ごく少数の病院を除けば,ナースの人員構成はその看護婦養成制度の多様性とともに極めて複雑な様相を呈しており,小学卒から大学卒におよぶ大きな教育程度の較差のある看護婦・准看護婦・各種の医療補助者などが同一病院内で勤務しているのである.このような教育程度・一般教育・資格・年齢などの差は,時代の変遷に伴う社会情勢や道徳観念の変化とともに,これらの人たちの管理・運営の困難性をより増強する大きな因子となっている.
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