講義ノートから
看護学総論・12
服部 裕
1
1大阪府立病院脳神経外科
pp.359-365
発行日 1972年6月25日
Published Date 1972/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906597
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看護診断について
私の看護診断(nursing diagnosis)の定義は次の通りであります.すなわち,‘得られた情報を総合的に判断し,その患者についての特殊性を十分考慮して,患者のニードおよび医学上のニード**に対する解決策の方向を,看護の立場より決定することである’と考えております.この定義はベッド・サイドにおけるナーシング中の看護診断の定義でありますが,これをさらに一般的な型に拡大いたしますと,‘得られた情報を総合的に判断し,その情報の適切な処理について,プロフェッショナルとしてのナースの立場から,自らの義務と責任とにおいて,決定することである’というふうないい方になりましょう.プロフェッショナルであればこそ,ある問題についての責任ある解決策の最終的決定を義務づけられるのであり,そして,その決定に対しては責任を負わねばならないのであります(参考資料1参照).
理解し易くするために,ベッド・サイドに焦点を絞ってお話しいたしますと,この場合の情報(information)には医師の診断・治療方針・指示などや,患者の訴え・態度・行動・症状・社会的あるいは家庭的背景・病歴,その他患者の病状に影響をおよぼすと思われる種々の因子など,非常に広範囲のものが含まれねばなりません.
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