医療講座・8
出稼ぎ者の健康問題
天明 佳臣
pp.51-61
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906406
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わたしの農村医学への道
わたしは,1961年に東京医科歯科大学医学部の農村厚生医学研究施設へ籍を置いて以来農民の健康と疾病を考え,主として予防医学的な面の実際的な仕事に従事してきた医者です。医学界では市民権を与えられてからまだ日の浅い農村医学という学問をゃっているわけです。
それは今日の大学の講座制区分に従えば基礎医学のなかの社会医学系の一部門になりますが,実際には臨床医学にもまたがる領域を持っており,基礎・臨床両医学の成果をふまえて,農民という特定の社会環境・特定の階層に属する集団を対象とする医学です。そして,農民の保健状態を規定する社会的因子と医学的・生物的因子の両面より,対象に迫る医学であるといえるでしょう。
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