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出稼ぎにゆく農民
pp.2-8
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203300
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本誌1月号で大谷教授が指摘されておられるように,現在わが国の農業は大きな曲がり角にきていると言われています。政府が打ち出した農業基本法による農業の近代化と機械化は,零細な農家の経営を困難にさせ,多くの農民たちを離農させるという社会的現象を起こさせています。
かろうじて一家の生計をなりたたせるために多くの農民(約100万といわれる)が出稼ぎに行っています。秋の穫り入れがすむとすぐ,職業安定所から紹介されて,都市の工場地帯や,土建業などで働くわけです。きびしい冬の間,残された家族の生活は主婦と老人と幼い子どもたちだけで営まれます。出稼ぎに行った農民たちは,田植えが始まる間際まで,都市で働いてくるのです。
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