特集 看護学校の図書
看護学習のための図書リスト
野口 美和子
1
1横浜市立高等看護学院
pp.30-36
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906307
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はじめに
学校における図書室の役割はいろいろあると思うが,年間の図書費が20万〜30万と少ない看護学校の場合は,その主な目的は,学生の看護学学習のための参考書をそろえて学生の便利をはかることになると思う。また“利用できる”ということだけでなく,学生の学習を指導する役割をはたさねばならない。従来,看護学校での学習は,いくつかの教科書にたよりきって進められてきた。学生は教養科目も含めて全科の教科書を持っており,試験の時などはそれをすみからすみまでよんでおけばよいというような学習の雰囲気があり,そのために学生の側からの図書利用のニードが少なかったように思う。
最近,臨床実習において看護計画を立てて看護実習を行なう方法や,症例研究,看護研究等の学習様式が確立したこともあって,教科書や手順書の種類の図書にたよっていたことから脱皮して,学生も図書の必要性を認識するようになってきた。しかし,まだ具体的な看護の知識・技術に関するものが中心で,幅広く,かつ掘り下げて看護を学ぶことが足りないと思う。新しくカリキュラムもかわり看護の概論が教授されるようになったのであるから,学生の学習の幅を拡げるよう図書の購入について考慮してゆきたいと思う。
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