特別レポート
英国の看護教育
姉崎 宜子
pp.34-40
発行日 1970年1月1日
Published Date 1970/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906286
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はじめに
最初,本題についての筆者の観点あるいは見聞の限界を明らかにすべきであろう。1967年(昭和42年)夏から約2年間,筆者は英国—厳密にいうとイングランド—北部の都市マンチェスターにある教育病院群ユーナイテッド・マンチェスター・ホスピタルス(United Manchester Hospitals)で臨床看護婦として勤務した。このような体験をしたのは,いわば偶然であり,以前から英国の看護や看護教育に特に関心があったからではない。筆者は最初の一年半上記病院群の中核マンチェスター・ローヤル・インファーマリー(Manchester Royal Infirmary)で人工腎臓及び腎臓移植患者の看護をし,後の半年間は,前記病院に隣接し英国国営医療の中では特殊な存在である私費患者の病院(Private Patients’Home)に勤務した。これらの勤務配置も筆者が英国の看護を勉強したり研究するために特に考慮されたものではなく,英国の看護婦とまったく同様に扱われた結果である。
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