特集 大学における看護教育—高知女子大学衛生看護科
看護学の方向と研究方法
芝田 不二男
1
1高知女子大学家政学部衛生看護学科
pp.66-72
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906142
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1.看護教育と本学の立場
かつて私は,「存在」という小冊子に,「大学急増に伴い,ずいぶんいろいろな学部,学科があらわれている中で,昭和27年2月,日本で最初の看護学科誕生の名誉をになっているのが,わが研究室である」と書いたことがある。
そのころ看護婦養成といえば,ほとんどすべて病院,あるいは医学部に依存しており,それ以外の方法は考えられていなかった時代に,大学教育の一環として,しかもこともあろうに,家政学部に看護学科を設けるということは,まさに破天荒の試みともいうべきであった。したがって本学の看護学科は,はじめから,いわば異端の徒として遇せられ,いまでも時々あびせられている,「大学,大学というけれども,大学出にいったい何ができるのか」というたぐいの批判を受けながら,まずは看護の世界に,仲間として入れて貰うということが大問題であった。
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