特別論稿
人間関係看護の立場と背景—育児行動の階層的差異について
安食 正夫
1
,
木場 冨喜
2
1東京医科大学医療社会学
2高知女子大学公衆衛生看護学
pp.6-15
発行日 1968年3月1日
Published Date 1968/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905982
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人間関係看護の意味と必要性
われわれは,昭和42年11月以来,高知市において育児調査をおこなっている。これは,昭和42年1月から6月までの間に子どもを生んだ母親1,885人を対象,といっても全戸調査が困難なため無作為抽出による300人にかぎられるわけだが,育児行動が,どういう社会的条件や社会的背景のもとに,どのような様相を呈しているかという実態を解明しようというのが目的なのである。
もともと,われわれは,人間関係看護という問題をかかえている。かかえているというより,看護のなかに人間関係看護という分野が当然あるべきだと考えている。しかし,掛け声だけではノンセンスにちかい。読者のなかにも,いかにも新鮮味に乏しい印象で,あるいは,反対に,言葉だけの新奇なスローガンとして受取る向もあるかとおもう。
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