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精神的看護の実践はここから
中島 其枝
1
1聖母女子短大
pp.34-35
発行日 1964年7月1日
Published Date 1964/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905320
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はじめに
“看護婦の独立の機能”は健康,不健康を問わず,各個人を手助けすることにある。どんな点で援助するかというと,健康生活,健康への回復(あるいは平和な死への道),これらは,もしその本人が必要なだけの強さと意志と知識とを兼ねそなえていれば,人の手を借りなくともできることかもしれないが,とにかくそうしたことに寄与する活動が看護婦の仕事である.そして,患者あるいは健康な人の場合でも,その本人を助けて,できるだけ早く自分の始末をできるようにするといった方法でこの活動を行なうことである,と「看護の基本となるもの」の著者がのべているように,看護の本質的内容は,人間の“生きる”といういとなみへの直接の働きかけである。
精神身体医学の述べる通り,人間の精神と肉体とはお互いに依存的,不可分のものであるがゆえに,人間の健康は肉体と精神の衛生を同時に考え,実行することによってはじめて保たれることは,今ここで改めて言うまでもないと思う。
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